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「ジビエ・コンシェルジュ」就任のお知らせ
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このたび、NPO法人ルーツ・ジャパン様より、「ジビエ・コンシェルジュ」として活動をサポートしてほしいとのご依頼をいただきました。
「ジビエ・コンシェルジュ」という名称は、まだ聞き慣れない方も多いかと思いますが、簡単に言えば、ジビエに関するさまざまな相談を受け、供給側と消費側をつなぐ窓口です。
このたび、浜松市三ヶ日に「オランジュ・ジビエ」というジビエ処理施設が開所しました。
この施設は、長年にわたり地域の鳥獣捕獲・駆除等に携わってきたルーツ・ジャパンが、捕獲された野生鳥獣を単に「駆除したもの」として終わらせるのではなく、地域の資源として有効に活用することを目的として設立したものです。
全国には数多くのジビエ処理施設がありますが、その一方で、安定して事業を継続し、黒字経営を実現している施設は決して多くありません。
その背景には、供給する側と実際に購入する側との間にある「ミスマッチ」があります。
商品の品質、部位や規格、用途に応じた加工、販売方法、そして価格。
いくら捕獲量を増やし、ジビエを「有効活用」しようとしても、実際に消費者や料理人が求める商品になっていなければ、継続的な需要にはつながりません。
そこで今回、長年ジビエを料理人・消費者という立場から扱ってきた私が、その間をつなぐ「ハブ」としてサポートさせていただくことになりました。
基本となる考え方は、「逆6次産業化」です。
これまでのジビエ事業では、捕獲されたものを「いかに有効活用するか」という、供給側を起点とした考え方が中心でした。
しかし、私が目指したいのはその逆です。
まず「料理人や消費者が何を求めているのか」を知る。
そして、その需要を供給側へ伝え、必要とされる品質・規格・加工方法・価格の商品をつくっていく。
つまり、「獲れたものを売る」のではなく、「必要とされるものをつくる」という発想です。
具体的な活動について
今回の活動では、主に以下のような取り組みを行っていきます。
① 料理人・飲食店からの需要調査
飲食店や料理人のもとを訪問し、
- どのようなジビエを使いたいのか
- どの部位・サイズ・品質が必要なのか
- どのような加工方法を求めているのか
- どの程度の価格であれば継続的に使用できるのか
といった、現場の具体的なニーズを聞き取ります。
単に「ジビエを使ってください」と営業するのではなく、まず「何が必要なのか」を把握することを重視します。
② 需要を処理施設・猟師へフィードバック
料理人や飲食店から集めた情報を処理施設や捕獲に携わる方々へ伝え、捕獲から解体、熟成、加工、規格まで、需要に合わせた商品づくりにつなげます。
「獲れたものをどう売るか」ではなく、「売れるものをどうつくるか」という視点を共有していきます。
③ 商品開発・規格づくり
例えば、「鹿のロースが欲しい」という要望だけではなく、
「この重量で、この状態で、この熟成期間のものが欲しい」
「レストランで使いやすいように、このサイズにしてほしい」
といった、より具体的な商品規格を料理人と一緒につくっていきます。
必要に応じて、試作品を実際の料理人に使ってもらい、フィードバックを受けながら改善していきます。
④ 料理人・飲食店への橋渡し
完成した商品については、実際にジビエを必要としている料理人や飲食店へ紹介し、継続的な取引につなげていきます。
一度販売して終わりではなく、「また使いたい」と思ってもらえる商品と供給体制をつくることを目指します。
⑤ ジビエを扱う人材・仲間づくり
もう一つ大切にしているのが、人と人とのつながりです。
猟師、処理施設、料理人、飲食店、流通関係者、生産者など、ジビエに関わるさまざまな人たちをつなぎ、情報交換や協力ができる関係をつくっていきます。
一人でできることには限界があります。
だからこそ、それぞれの専門性を持った人たちがつながることで、新しい商品や新しい仕事が生まれる環境をつくりたいと考えています。
⑥ ジビエに関する相談窓口
「ジビエを使ってみたいけれど、何を選べばいいかわからない」
「こういう料理に使える鹿肉が欲しい」
「処理施設と直接話したい」
「自分たちが捕獲したジビエをどう活用すればいいのか」
など、ジビエに関するさまざまな相談を受け、必要な人や場所につないでいきます。
「獲れたもの」から「必要とされるもの」へ
これまで行政を中心に進められてきたジビエの消費拡大についても、さまざまな取り組みが行われてきました。
しかし、供給側の論理と実際の需要との間に乖離があれば、なかなか継続的な消費には結びつきません。
ジビエが一時的なブームで終わるのではなく、地域に根付いた持続可能な産業として発展していくためには、消費者や料理人が「欲しい」と思える商品をつくり、それを継続的に提供できる仕組みが必要だと考えています。
私自身、今回の活動を単に利益を上げるためのビジネスとして捉えているわけではありません。
地域で生まれた価値を地域に還元し、猟師、処理施設、料理人、飲食店、そして消費者など、これまで別々に存在していた人たちをつなぐことで、新しい仲間や新しい仕事、新しい可能性を生み出していきたいと思っています。
「獲る人」「つくる人」「料理する人」「食べる人」。
それぞれがつながり、地域の資源を地域の中で循環させていく。
そのための一つの役割として、今回「ジビエ・コンシェルジュ」という立場から、微力ながら活動していきます。
ジビエを「害獣」から「地域の恵み」へ。
そして、それを一過性のブームではなく、地域に利益と仕事と人のつながりを生み出す、持続可能な仕組みへ。
そのために、まずは現場の声を聞き、必要とされているものを明確にし、それを形にしていく。
小さな取り組みかもしれませんが、地域の皆さまと一緒に、一歩ずつ形にしていきたいと思っています。

