西欧料理サヴァカ|静岡県のフレンチレストラン

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ヌートリアについて

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今回取材を受け、改めてヌートリアの認知度の低さを感じましたのでご説明を。

さて、ヌートリアとは..

ネズミ目(齧歯目)ヌートリア科に属する哺乳類の一種。南アメリカ原産。日本には本来分布していない外来種で、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律では指定第一次指定種に分類されている。

生肉にはタンパク質20-21%、脂肪4-10%が含まれている。中国、特に広東省や広西チワン族自治区の広東料理では、「野味」と呼ばれる各種野生動物の料理(ジビエ)が珍重されており、ヌートリアも省区内や江西省などで飼育されたものであるが、食用にされている。

料理店では「鼠」という字を避け、「海龍」と呼ばれる場合がある。炒め物や揚げ物にする例が多い。1965年ごろ、広州動物園の中で経営されていた鶯園という野味料理店では、酢豚を応用した「糖醋海狸鼠」という料理が出されており、イノシシに似た食味であったという。


世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。

(Wikipediaより)

と、ざっとこんな感じですが、日本の中部地方以西の池や河川に生息しています。

大きさはタヌキくらいです。

もともとは南米に生息していた動物ですが、日本には1936年に軍隊用の防寒着を作る毛皮獣として輸入されました。
日本各地で養殖されていたヌートリアですが、太平洋戦争終結後の混乱期に放逐したことで、野生化したと考えられています。

静岡県でも近年増えてきていますが、対策が始まったのが令和4(浜松市)からなので詳しいデータなどは手元にありません。

しかし徐々に被害額も増えてきているようです。

年に23回の出産をし平均5頭の産む強い繁殖力を持つため、これから更に増え続けることが予想されます。

野生化したヌートリアは食べても臭く、当時は食用としての利用価値が認められませんでした。

その原因は戦後急速に広まった河川の汚染によるものだと考えられています。

野生の生き物は環境の影響を受ける割合が多く、特に河川や池沼に住むものはそれ以外に住むものより強い傾向があります。

ですから「ヌートリア」「美味しい」で、美味な個体を手に入れるためには良い環境にいるものだけを選ぶ必要があります。

現在使用しているものは三ヶ日の蓮根畑にいるもので、そこに流入する水路には生活雑排水が入り込んでいません。

ほぼ養殖状態のものになります。ここが大変重要なところです。

農業被害をもたらす野生鳥獣や特定外来生物の駆除は大切なことで重々承知していることですが、美味しいジビエ料理を提供することはまた別次元で考えるべきことだと考えます。

我々料理人は常にベストのものを求め、最高の食材を追求します。

この素晴らしいヌートリアはそれに合致しただけで、どれもこれもが食に適するとは限らないのです。