西欧料理サヴァカ|静岡県のフレンチレストラン

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冬の風物詩 生ハム造り

LCC

温暖な静岡でも冷え込みが厳しくなってきました。
とはいえ氷点下まで下がる事がないので、生ハムの乾燥にはもってこいです。
山に挟まれた立地なので冬場は適度な風が吹き、春までにはかなり良い状態になってきます。
来年の冬には仕上がりますが、欲を言えば更に1年寝かせたいですね。

これはイノシシの生ハムなのですが、原料となる肉質がとても重要です。

まずイノシシの大きさ。
薄く切って柔らかい口当たりのものに仕上げるとなると60kgまでのものが限界。
30kg以下の小さいものは味に深みが出ないので使いません。

次に脂の付き具合。
雌雄に左右される事が多いですが、捕獲される時期、場所によって大きく変わります。
雄でも稀に年末に捕獲されるものの中には手頃な大きさで脂が乗ったものもありますが、基本的に雌を使用します。脂がないもので作ったりもしましたが、美味しさは半減します。

あと重要なのが下処理。
罠で捕獲されたもので適切に処理されたものが理想的です。
血抜きがキッチリと出来ていないものは腐敗の原因ともなり得るので使いません。
ただ近所で犬を使った猟によって捕獲されたもののうち、弾の当たりどころが良く、すぐに処理出来た場合は使ったりもします。

上の条件を満たしたものは多くても年間2頭位しか入ってきません。
去年は納得できるものがなかったので、作る事が出来ませんでした。

塩だけのシンプルな製造方法(スペイン式に準ずる)で、こんなに美味しいものが出来るなんて本当に自然に感謝です!
8年目に入り、ようやくコンスタントに仕上げる自信が出てきました。