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ジビエの扱いに関して
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知り合いのジビエを取り扱う飲食店の方が、多分鹿か猪に関してだと思うのですが、お客様から「駆除肉なのに、何でそんなに高いの?」と言われたそうです。
おそらく消費者のみなさんが疑問に思っていることなのでしょうが、本質のところを理解されていないことが原因かと思います。
販売する飲食店や食肉加工施設側からすると仕入れコストがこれだけ掛かるから、最終的にはこれくらいの価格になってしまうというのが言い分なのですが、購入する側としては比較対象は牛肉や豚肉などですからね…。
そもそも完全に管理された状態で供給される「食肉」は、ある意味工業製品に近いものだと考えます。
年がら年中ほぼ一定の規格のものが流通し、価格が安定している養殖の魚に近いものとお考えください。
それに対してジビエは天然のものですから、
捕獲場所と時期、餌、雌雄、年齢(月齢)、捕獲方法、処理方法の違いで全く別のものとなってしまいます。このあたりは天然の魚と違いはありません。
猟師さんにはただ駆除してもらうだけではなく、美味しい肉にするために初期の処理作業をして頂いているので、当然その分コストが生じます。
そもそも美味しいジビエ肉は希少で、駆除させたものの数パーセント。
ほとんどは埋設やドッグフードに回り、食肉として不適格なものばかりなのです。
その貴重なジビエ肉も、最低20年は経験を積んで、初めてお客様に料理として評価頂けるようになります。
なぜなら年間のうち数ヶ月しか取り扱うことが出来ないので、自ずと目利きや調理経験も限定されてしまうからです。
(近年は通年有害鳥獣捕獲が出来るようになったこともあり、種類によってはこの限りではありませんが。)
ですから本当に美味しいと思えるジビエ料理には相当な手間と労力がかかっていることをご理解頂きたいと思っています。